俳優や裏方に疎い人の所感

刀ミュ他2.5をのんびり追っかけてる人のただの感情

ミュージカル刀剣乱舞 髭切膝丸双騎出陣2019 SOGA 7/4ソワレ感想

最速先行で手に入れてもらったチケットが実質見切れ席だったつらさ……。

舞台には近いんですけどね……。真ん中奥や下手で演技されたら見えなさそうだな……と開始前から絶望。複数入りできないときのサイドによるのはつらいです。しかも自然とスピーカー側の配置で耳が始まる前から心配になる審神者

 

今回キャストに参加されている花組芝居に関しては公式サイトをご参照ください。

 

ここから詳細なネタバレしかない

未見の人には見るまでネタバレなんて見ないでほしい!

 

 

 

舞台の形が台形みたいで真ん中部分が迫り出していました。そのぶん上下の席は舞台の斜め部分に沿って配置。

ちなみに段差はない。無慈悲。でも聞いた話後列はクッションで高さつけられてるらしい。有情。

千鳥配置?なので頭の隙間から舞台を見ることはできる。

開始前は音楽ではなく雨音。

そして45分頃に審神者Pからの諸注意が流れる。

舞台装置はボロボロな建物。あばら家といった感じで草がぼーぼーです。

このボロボロな大道具は曽我兄弟の行き着く先を示してるみたいですね。

なんというか今回の一部はわびさびのさびって感じがしますね。って適当な事言ってます。

寂れて物悲しい様子。落ちぶれた家。愚かな仇討ちに生きた先にあるのが死だからあの舞台セットも自然に思えてきます。

開始5分前に梵鐘の音が鳴る。

 

国語辞典に曽我の項目があるので見たら色々と学びがありました。

曽我兄弟が貧乏だったから「貧乏」の意味がある

曽我の雨(類:虎が雨)仇討ちをした日が雨だったから

奇しくも公演初日も生憎の雨模様でしたね。でも浅井さんがツイートしてらしておっとは思ったんですよねえ。

今思えば(6日時点)そうですね、風情がありますね。あの激しい雨も曽我兄弟の強い復讐心の現れと言えるかもしれない。

物語に相応しい天気だったんですね。

 

名前整理

一萬→祐成(十郎)

筥王→時致(五郎)

キャスティング

祐成役髭切

時致役膝丸

のお芝居となります。

 

一部

語り手登場からの雰囲気が凄い。雰囲気をばっと作ってしまう。朗々とした声で始めるのが花組芝居の加納さんでしょうか?

曽我兄弟の仇討物語を聞かせましょうと始まる今回。いつもと形式が完全に違い人間が主役の物語です。

兄と弟をそれぞれ髭切と膝丸が演じているからなのかあくまでも「物が語る物語」と念押しされていました。けどぶっちゃけ観てる時はやけに念押しするな、て感じでしたね。

二部の方で「我らがいきなり子供をやって驚いただろう」みたいな事を膝丸が言ってましたからこれは髭膝という刀剣男士が演じているのかと理解しました。

曽我兄弟は幼少期に父親を殺されるところから始まりますがこちらもそうで、なので幼少期の曽我兄弟を2人がやるわけですがこれがもう大変凄い。

声だけ聞くと子役かってくらい普段の声と違う!特に高野さん凄い!!子役いたっけ?と本気で思いました!

こんな高野さんの声は初めて聞いたものだからもう本当に彼の無限の可能性を感じた。

勿論三浦さんも凄かった無邪気な感じが凄くて今剣を彷彿とさせた。可愛かった。

あとちびっ子なので生足だった。

生足だった。

生足だよ!?!?!?

パニックになった。

それともあの生足は審神者「生足であれ!」と願った幻覚だったのだろうか?

わからない……記憶がもうすでに手の平から零れ落ちている審神者にはもうなにもわからない……。

幼少期から始まるおかげで生足生腕が一部から拝めるの最高だったし新たな源氏の髪型に激しく興奮した。ポニテ好きだしあの少年特有の格好も好き。

なにより歌いながら成長を演じているのが最高すぎた……髪を解いて長くなるし(この解いた瞬間の髪の動き最高なんだけど)、膝丈の裾が長くなるし、声がちょっと低くなるし!!それまで高めの少年声で歌っていたのが大人になった声で歌い出した瞬間の驚愕といったら。

思わず呻くほどでしたよ。

ここでのすれ違いというか同じ場所にいないからの演出がいいなと……今回アンサンブルさんの衣装がボロい着物なんですけど、ボロい大道具と溶け込みやすい気がするので、アンサンブルさんの役割はアンサンブルというだけでなく大道具の一つみたいにも見えましたね。

花組芝居の加納さん。語り手と兄弟の母親と別当の3役でした。

同じく花組芝居の丸川さんは兄弟の仇役。

このお二方はもう見るからに動きが違う!!

和装の動きに慣れていらっしゃるし、本当に滑るように床を移動するから綺麗です。歌舞伎でよく見るあれが目の前にあるー!となりましたね。

唄う感じも本当に刀ミュでこういう空気を楽しめるのかと感動です。

 

さて幼い頃から復讐を目指す2人を見かねて母親が弟を寺にやってしまい離れ離れになって育つわけですがこの仇討物語というシリアスにシリアスを重ねた中でもお寺で過ごす弟は笑いを誘う場面になってます。

完全にフリーダム弟。膝丸……そんな才能があったなんて……確かにこれは不自由ではない。

最初は箒で掃いてるだけだったのが箒を振り回してチャンバラを始めたら別当が来て「はああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」となにかを拭き拭きしはじめたところから全てが始まる。

別当がお経をあげ始めると今度は手を合わせてじっとしてられない弟うずうずし出して悪さをしたり踊りだしたり。その度に別当に気づかれそうになると声を上げて座り直すというのを繰り返す。

しかし終いには別当、お経から突然「えーらやっちゃえーらやっちゃ」と言い始める。

審神者の祭りの血が騒ぐ

合いの手入れちゃってごめんなさい😭

祭りに生き祭りに生き続ける女だから合いの手を癖で入れてしまうんだ許してほしい……でもできることならあそこは合いの手入れたい。

結局最後は別当に追いかけられる弟であった。ここだけは最初から最後までコミカルでリラックスシーンでしたね。

ありがと、気を遣ってくれて。

ちなみにこの別当、弟が寺を出る挨拶をした時に義経公が奉納した刀を授ける。

ここ!もう!!これ!!ねえ!!弟(膝丸)がそれを受け取る役!!!ってなりましたね。

これでもう髭膝で曽我兄弟やるの納得って感じです。

 

というかさ、1時間という一部の尺の中で滅茶苦茶歌ってませんかね!?歌って歌って歌って……ほんとうにぽんぽん歌うからわけがわからない。

兄弟の絆尊い……親子の絆……愚かだけど清い……。無垢な復讐だった……。

でもこの無垢さは刀剣男士の2人が演じるからだったのかな。

そう言えばわりと今回歌が多めなんですけどちゃんと元にあるやつなんですね。

兄→ちはやぶる 神の誓ひの違はずは 親の敵に 逢ふ瀬結ばん

弟→天くだり 塵に交はる甲斐あれば 明日は敵に 逢ふ瀬結ばん

この歌自体は寺での復讐誓願の際のものらしいですが双騎では戦闘前に読んでたので闘志が凄かった……!

あと別当夢ならで またも逢ふべき 身ならねば 見るおもかげに 袖朽ちぬべしも詠んでた気がする。

 

今回矢が飛ぶし、斬られた時に血飛沫として真っ赤な花びら(アジアツアーで見たやつかな?)がパンッと咲くしブシャァーーという血が噴き出してる効果音もあって目に見える傷がなくても凄惨さがマイルドに伝わってきた。(その効果音はマイルドか?)それはそれとしてSEと血飛沫の吹き上げるときのパンッがずれてたからかちょっとパンッの火薬の音が間抜けな感じになってしまったのは否めない。ちょっと笑ってしまった。

そして深手を負って吐き出すように放たれた「我ら兄弟の悲願ぞ!!」の兄のセリフもう覇気が凄すぎて……すごい。食い入るようにみた。

髭切本人からでは到底出ないだろう強い言霊だった。あるいは怨念なのかもしれない。(でも髭切がそれを演じてると考えると人間の強い感情を知ってるとしか思えない)

血を吐きながら押し出された強い言葉が耳の奥に残ってる。

しかもここから刺さった矢を抜いて投げ捨てると思ったら一度口にくわえるの……なんかもう本当にありがとうイイクスリです……って感じですよ。ぶっ刺さった。

ヒェー最高に趣味が合致してしまうと呻く心と動揺を抑えながら観てました。兄はすごいんだ。

 

そしてどうにか血を流しながら仇を取って2人は死亡。

2人の亡骸を前にして落涙する母親は愚かな事をと言う。

そして死んだ2人の顔には面をつけて暗転。だと思う。始まりも面を付けていたんですよね。面……なんの暗喩だろう?

物であること?ちょっとそこが気になる。面を外して始まり、面をつけて終わる……。なんだろう。

形代?面をつけて曽我兄弟を憑依させている?

面をつけることで刀剣男士と言うのとは別の存在になるスイッチみたいな役割を果たしているのかなあと思ったり。

面をつけて曽我兄弟となり曽我兄弟の死を再演したのちに面をつけて刀剣男士へと戻る……みたいな?こっくりさんで鳥居から始まり、鳥居で終わるみたいなやつ。

 

さて仇討物語だから当然悲しい終わり。それでもしんみりしたままでは終わらせないのが刀ミュクオリティ。

というか1時間で曽我物語収めるってすごいですね……省略の仕方や歌による展開のおかげか【1時間で知る曽我物語入門編】という感じでしたね。

素晴らしいお話をありがとうございます。

 

実は途中まで兄弟が時間遡行軍に殺されて髭膝が成り代わって仇討をするのかと思ってた笑

 

二部

記憶が爆発四散して砕け散ったので不正確な情報しかないよ。

最初から新規二部衣装で登場だよ。

セトリはこんな感じだけど8曲かもしれない。獣で余りにも記憶が爆発炸裂粉砕されてしまって自信がないです。

セトリ(うろ)

M1 新曲

M2 新曲

M3 Just Time

M4 新曲

M5 kizuna

新曲←記憶違いかも

M6 獣

着替え 〜スーパー女形タイム〜

M7 双つの軌跡 双騎ver

M8 刀剣乱舞 双騎ver

 

第1形態

つはもの方式な感じで兄者ロング丈、膝丸ミディアム丈のコートが白黒ツートンでキラキラしてて呻くしかなかった……ふわっふわっひらっひらっありがとだいしゅき😭🙏

腰のくびれがめちゃくちゃクるんだよ……。素晴らしいライン造形だと思う。

第2形態

腰に裏地が紅白柄の布を巻きつけていてテール状?サイドと背面がどちらも長くなってました。

そして途中でこれは外すので着脱可能タイプ。

これを取るとシンプルなパンツスタイルになります。どちらも。パンツスタイルになるとシュッとしてこう、こう……本当にスマート……。でも個人的にはひらみが好きなのでひらみに飢える。

第3形態

いや兄者の生着替えとか聞いてないんですけど????????????????????え??????????????????????(大混乱)(これにより審神者の記憶は吹き飛んだ)(爆発直前のダイナマイトを投げ渡されて爆発したみたいな衝撃)

ちょっと真ん中より後ろ目にいったな?と思ったら突然上の衣装を脱いで(脱いで???????)あのあのあれ多分金太郎が熊に乗ってる時によく見る赤いやつ。腹掛けみたいなの来てましたよね?????黒地に金模様かな??だって完全に首から肩脇がっぱりでしたよ??????ええ?????(実は肉襦袢だった?)

整理すると兄者が突然上着を脱いだと思ったら腹掛け姿になり、そこにまた新しい着物風の上着を着たんです。

この間膝丸はまだ脱いでない。ひたすら歌って繋いでた。

そして兄者パートになると膝丸の姿が見えなくなって着替えて登場してきた。見切れ席だったから見えなかったのか本当に引っ込んで着替えたのかは不明。

多分悲鳴なかったから引っ込んでた。

そして盛り上がってきたところでわざわざ着た上着の片袖を脱ぐという暴挙!(暴挙!!)

肩のラインも背中も肩甲骨も腕もしっかり見える。そんなイケナイものを見せないで🤦‍♂️🤦‍♂️🤦‍♂️記憶が飛んじゃう!助けて審神者P!!!お願いだから舞台写真ブロマイド20種類くらいちょうだい!!!

 

M1はちょっとペンライト振りづらいかも。でも好きだと思った。ダンサーさんが扇子で踊るんだけどその扇子の真ん中から真っ直ぐ伸びる真っ白な羽根飾りがふわっふわ、ゆらっゆらしてて兄者のバレエ的動きと超合ってて神かと思った。

M2は多分ふつうにペンライト振れる。好きだと思う。

MC入るよ。

ここで一部が髭膝が曽我物語を演じたと触れてたよ。ねえ本当になんで突然曽我物語を髭膝が演じてたていにしたの?ねえねえ。審神者Pに見せるため?それとも刀剣男士たちを労うため?

【いかにして曽我物語は演じられたのか】という議題が私の中に生えてる。

そして兄者はやはり役名を言えても膝丸の名前は言わないのであった😂

M3いつもの源氏の回転が見られるよ。慣れた曲はペンライトの振りを意識しなくてもいいね。

M4ペンライト頑張って振ってね。たぶん好きなんだけどこの辺から獣のせいで記憶がない。

M5神曲を源氏に歌わせるエモエモ大爆発です。

kizuna 刀剣男士 formation of つはもの 歌詞情報 - うたまっぷ 歌詞無料検索

この曲を敢えてこの2人に歌わせたのわかってるとしか思えない……肩を並べるんだよ……追いつけ追い越せとか手を伸ばしても届かないとか、そうじゃないんだよ。でもどっかですれ違ってしまうんだよなあ。

M6記憶破砕ソングの名誉を授けたい。シルエットじゃないポージング決める髭膝最高なのにその直後に生着替えとか無理無理の無理案件をぶち込んできて審神者を狂気に叩き落とすのやめてほしい。好きだよ。いつものグラフィックポイが仕事してたよたぶん8本。

お着替えタイムという名の女形を浴びろタイムは太鼓がない分しっとりしてる。G線上のアリアと歌舞伎のミクスチュアが美しかった。でもペンライトを振って素晴らしいという気持ちも伝えたくてジレンマタイムでもあった。

降ってくる紙吹雪の中舞うのが美しかった。音楽が流れていたけどとても静かな着替えタイムだった。

ちなみにG線上のアリアは一部でも流れていた。

M7ここに来てごりごりに歌詞を改変した双つの軌跡が来てさらに色々爆発する。膝丸が髭切のことを「あなた」と他人のように呼ぶ瞬間が爆エモすぎてエモエモフラッシュに目が眩んだ。本当は他人なのに兄と弟と呼ぶ関係になった軌跡……ゔぅっっ🤦‍♂️

M8いつもの。というか7→8しか戦闘衣装見ないからなんか珍しい感じになった。新しい歌詞いいからCDください。ミニアルバムにして。

この2曲で髭切が踊っている時に足下に残った紙吹雪がぶわっと舞い上がるのが雪のようであり、羽のようであり美しかった。

おわりに2人からネタバレはしないように、呟かないようにって言われたからふせったー使ってブログを書くしか出来ない。歯痒い。

そういえば音響は平気でしたね案外。単騎の爆音に比べると音がやや篭もり気味?小さめ?な感じでした。

 

最終的に見切れ席なのでやはり見えない部分はちょくちょくありました。最速先行とは……。

ただ比較的舞台との距離は近いので端まで来たキャストやダンサーさんの笑顔はよく見える見える。

でも基本的には正面から見ることが前提の作りなのでマジで最速先行なのに見切れ席なのは疑問しかない。

あと別にファンサは濃くない感じだった。ふわっとさらっとて感じ。濃いファンサやる2人じゃないからこんなもんじゃないですかね?

つはもので初めて見た膝丸の笑顔よりは自然になった気がする。

 

今回こうして花組芝居さんとのコラボレーションが実現したことでなんというか……高野さんと三浦さんの可能性を本当に強く感じた……まだまだ全然伸び代があって未知の可能性に溢れた若者だと心底から思えた。

今回の花組芝居さんとの経験が彼らの演技に対する糧になってくれたら嬉しい。普通に2.5舞台やってるだけでは中々経験できないことだったと思うから。

審神者は思うのでした。

歌合で2人は見られないけど2人が今回魅せてくれた可能性を今後いつかなにかの舞台で出してくれたら嬉しいなあ。

というか双騎はチャレンジ作だと思えるのですけどどうでしょう?

現代歌舞伎と2.5次元ミュージカルの和合とも思えるし、ある意味で一部は2.5次元ミュージカルと言うには異色すぎる(髭膝が演じている体であるものの一部中にそれは明言されないし刀剣男士の姿が出てくることもない完全にオリジナルと言ってもいいくらいのミュージカル舞台だった)からこそ現代歌舞伎を取り入れることが出来た(容易だった)のかな?とも思えますね。

※一応ヒントは随所に鏤められているので気がつく人は気がつくという感じ

2.5次元ミュージカルがただのサブカルに付随して産まれただけの文化に留まらないように成長あるいは躍進の一助に双騎がなれたらこんなに素晴らしいことはないでしょうね。

取り敢えず14日はライビュ参戦なので楽しみです。

10日で変わったところがあるかないか気づけるかはわかりませんが、しっかりと見つめたい。

そして早くも配信も予約済みなのでディレイ配信も楽しみです!

 

ちょっと蛇足なんですけどタイミングとして丘山さんが大学で講義を取ったタイミングでそのことに触れたブログなども出ていたんですけど、そこからの派生の話になります。

今の演劇業界の宣伝力や集客力、知名度(ネームバリュー)を考えたとき2.5次元ミュージカルの世界は今がバブルと言われ劇場にも比較的容易に人が足を運びやすい環境になっています。

でも一般の舞台は敷居が高く新規が入りにくい環境が日本では続いているみたいな話なんですけど。

今回の双騎の試みはそうしたどうにも敷居が高く閉鎖的(に思われる)一般演劇業界への興味や関心を持たせることに繋がればいいなあ、とちょっと思います。

 

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ライビュにもシュシュ付けて行くね。